老犬介護に必要なものは?オムツやクッションなどおすすめの介護用品・グッズもご紹介

オムツを履いて寝ている老犬 items

今は元気な愛犬もいつかは年をとります。

愛犬が高齢になると、歩行が不安定になったり、トイレの失敗が増えたりと、介護が必要になることがあります。

大切な家族である愛犬に、できるだけ快適な生活を送ってもらうためには、適切な介護用品の準備が欠かせません。

本記事では、老犬介護に必要な基本グッズから、状況に応じてあると便利なアイテムまで詳しくご紹介します。

老犬介護を始める前に知っておきたい心構えも解説していますので、愛犬とみなさまが幸せに過ごすためにも、ぜひ参考にしてください。

老犬介護、始める前に知っておくべきこと

犬の平均寿命はおおよそ12~15年です。

犬の大きさや犬種によって異なりますが、小型犬・超小型犬は11歳以上、中型・大型犬は8歳以上、超大型犬は6歳以上が老犬に相当すると言われています。

愛犬の身体は、年齢とともに少しずつ変化が現れます。

最近つまずくことが増えた、トイレに失敗するようになった。そんな日常の小さな違和感が、老犬介護の始まりのサインかもしれません。

例えば、滑りやすいフローリングなどにはマットを敷く、寝床をやわらかいクッションに変えるなど、ほんの少しの工夫でも、愛犬の動きやすさや安心感は大きく変わります。

ただ、「ちゃんとやらなきゃ」と気を張りすぎる必要はありません。

老犬介護は日によってうまくいかないことも多く、昨日できたことが今日はできない。そんなことの繰り返しです。

大切なのは、その日の愛犬の体調に合わせて、無理なく寄り添っていくこと。

そしてもうひとつ大事なのが、かかりつけの動物病院との連携です。

ちょっとした変化にも気づいてもらえる存在がいることで、飼い主さんの不安もぐっと軽くなります。

何かあったときに相談できる場所があるだけで、老犬介護はずっと続けやすくなります。

老犬介護に必要なもの・用品リスト

老犬の介護が始まったけれど、「何から準備すればいいの?」と戸惑う方も少なくありません。

今まで元気だった愛犬の様子が少しずつ変わっていくのを目の当たりにすると、戸惑い、焦り、そして「自分にできるだろうか」という心細さが押し寄せてきますよね。

でも、すべてを一度に整えようとしなくて大丈夫。老犬介護は、最初から完璧に整っている必要はありません。

日々の生活の中で「これがあったほうがいいかも」と気づいたアイテムを、少しずつ取り入れていくうちに、自分たちに合ったスタイルができあがっていきます。
そうしてアイテムを一つひとつ揃えていくことが、飼い主さんの心のゆとりにもつながるでしょう。

ここでは、老犬の介護を支える基本的な用品や便利グッズをテーマごとにご紹介します。
「備えておけば安心」と思える道具たちが、愛犬とみなさんの生活の負担を減らしてくれるはずです。

トイレ・排泄ケア用品(オムツ、ペットシーツなど)

老犬になると、足腰の衰えや認知機能の変化により、トイレの失敗が増えるようになります。

トイレの場所が分からなくなったり、間に合わなかったりすることも。

そんなときは、オムツや防水マット、ペットシーツを使って、トイレをしやすく、失敗しにくい環境を整えることが大切です。

たとえば、寝床のすぐそばにトイレを置いたり、複数の場所にペットシーツを敷いたりすることで、移動の負担を減らせます。

食事・水分補給用品(高さ調節できる食器、シリンジ、流動食など)

年齢を重ねると、噛む力や飲み込む力が弱くなり、若い頃と同じ食事では負担が大きくなります。
硬いドライフードはぬるま湯でふやかし、とろみのある流動食にすることで、喉ごしが良くなり、食べやすくなります。
また、食器の高さもポイントです。首や腰が弱っていると頭を下げる姿勢がつらくなるため、食器台などで高さを調整すると、自然な姿勢でごはんが食べられるようになります。
もし自力で食べられない場合は、シリンジ(注入器)を使って少しずつ水分や栄養を与える方法もあります。

散歩・歩行補助用品(歩行補助ハーネス、車椅子など)

筋力の低下や関節の痛みで歩行が不安定になると、散歩中にふらついたり、途中で立ち止まることがあります。
そんな時に頼りになるのが、歩行補助ハーネスや介助ベルト。

まるでそっと背中を押す手のように、愛犬の身体を支えてくれます。
お腹や後ろ足をサポートするタイプ、前後どちらも支えるタイプなどがあり、状態に合わせて選べます。
無理のない範囲で歩くことで、筋力の維持につながるのはもちろん、外の空気に触れることで気分転換することもできます。
もし自力での歩行が難しくなったら、犬用の車椅子という選択肢もあります。

再び動ける喜びで、愛犬の表情がまるで快晴の空のように、信じられないほど明るくなるでしょう。

床ずれ防止・対策用品(体圧分散マット、クッションなど)

老犬になると、寝たきりになってしまうこともあります。

そのため、寝返りを打たせると共に床ずれ防止・対策用品が必要になります。

圧迫された部分の血流が悪くなることで皮膚や筋肉が傷み、痛みや感染の原因となります。

愛犬は言葉に出して「辛い」と伝えることができないため、床ずれは非常につらいものです。

対策としては、体圧を分散してくれるマットやクッションの使用が有効です。

高反発素材の介護用ベッドや、位置を調整しやすいサポートクッションを組み合わせることで、身体の負担を軽減できます。 

また、定期的に体勢を変えてあげることも重要です。

優しく声をかけながら寝返りを促し、皮膚の状態をこまめにチェックしてあげましょう。 

衛生管理・その他便利グッズ(ドライシャンプー、滑り止めマット、階段スロープなど)

老犬は体力が落ちるので、身体を洗うのが難しくなることもあります。

そんなときは、洗い流し不要のドライシャンプーやウェットタオルで、負担の少ないお手入れを心がけましょう。

フローリングのような滑りやすい床は、足腰に大きな負担をかけるため、滑り止めマットやクッションマットを敷くと安心です。

階段の上り下りがつらくなってきたら、段差を減らすためのスロープ設置もおすすめです。

生活環境を少しずつ見直して、愛犬にとって安全で過ごしやすい空間を整えてあげましょう。

老犬介護の具体的なケア方法

老犬介護をするといっても、実際どのようにケアしていけばよいか分からないという方も多いのではないでしょうか。

ここでは、具体的なケア方法についてご紹介します。

トイレ介助と衛生管理

年齢とともに足腰が弱くなると、しゃがむ姿勢がつらくなり、トイレもスムーズにできなくなっていきます。
踏ん張る力も衰え、トイレ中にバランスを崩してしまうことも。
そんなときは、後ろからそっと腰を支えてあげるだけで、安心して排泄できるようになります。

また、老犬は腸の動きが鈍くなり、便秘になりやすくなるため、腸内環境を整えるサプリメントや、食物繊維を含む食事を水分と一緒に与えるとよいでしょう。
やさしくお腹をマッサージしてあげるのも効果的です。

自力での排泄自体が難しくなった場合は、すぐに獣医師に相談しましょう。
カテーテルや浣腸が必要になることもあり、飼い主さんにできるトイレの補助方法を教えてもらえます。
一人で抱えこまず、専門家の力を借りることも大切です。

さらに、老犬はトイレの間隔が短くなり、我慢ができなくなることもあるため、室内でのトイレにも慣れさせておきましょう。
まずはペットシーツを広めに敷いて安定したトイレ環境を整え、最初はベランダや庭で練習させましょう。
うまくできたらしっかり褒めてあげてください。

その積み重ねが自信と安心感につながっていきます。

食事介助と栄養管理

老犬になると、噛む力・飲み込む力・消化機能が少しずつ衰えてきます。
いつものフードを残したり、食べこぼしが増えてきたら、食事の見直しどきかもしれません。

ドライフードは、ぬるま湯でふやかしたり、すりつぶしたり、とろみをつけたりして、飲み込みやすいように工夫しましょう。

そのままでは喉に詰まったり、逆流のリスクもあるため、愛犬が食べづらそうにしていたら、流動食への切り替えのタイミングかもしれません。

また、首や腰に不調があると、頭を下げる姿勢がつらくなることも。
高さのあるフードボウルや、フチの低い器に替えるだけで、ずっと楽になります。

もし自力で食べられないときは、シリンジを使って、口元に少しずつあげるのも1つの方法です。
たとえ一口でも、「食べる」という行為が、愛犬の生きる力になります。

寝たきり対策と体位変換

寝たきりの状態で気をつけたいのが「床ずれ」。
同じ姿勢が続くと、身体の一部に圧がかかり続け、血流が滞って皮膚や筋肉が傷んでしまいます。
見た目ではわからなくても、愛犬は声に出せない痛みに耐えているかもしれません。

予防には、数時間おきの寝返りが効果的です。

向きを変えるだけでも血流が促されます。
それだけでなく、体圧をやわらげるマットやクッションも取り入れ、負担を減らしてあげましょう。

もし床ずれができてしまったら、早めに動物病院へ連れていきましょう。
初期の対応が、治りの早さや痛みの軽減につながります。

皮膚トラブルの予防とケア

老犬の皮膚は、人間の約1/3ほどの薄さで、とてもデリケートです。
特にシニア期は、乾燥やほこりなどの刺激でかゆみや炎症を起こしやすいため、こまめな保湿と室内の湿度管理が大切です。
乾燥しやすい冬は加湿器を使ったり、濡れタオルを干すなどして湿度40〜60%を目安に整えましょう。

また、シャンプーは保湿成分入りの低刺激タイプがおすすめです。
それでも乾燥が気になる場合は、入浴後に保湿スプレーなどを使ってあげるのも効果的です。

そして、見落としがちなのが肉球。

地面に触れる機会が多い肉球は外的刺激を受けやすい部位になります。

乾燥が進むことで、肉球が固まったりひび割れたりすると、転倒や感染の原因になりかねません。
なめても安心な犬用の保湿クリームで、日々やさしくケアしてあげましょう。

散歩・リハビリによるQOL維持

年齢を重ねた愛犬が、できるだけ自分の足で動ける時間を保つことは、生活の質(QOL)を守るうえでとても大切です。
筋肉は使わないとすぐに衰えてしまうため、無理のない散歩や軽い運動を日課にしていきましょう。

若い頃のように長く散歩に行くのではなく、1日2〜3回、10分ほどゆっくり歩くだけでも十分です。

玄関まわりをぐるっと歩くだけでも、足腰の刺激になり、気分転換にもつながります。

寒い日や雨の日は、室内でストレッチをしたり、短い距離を歩く練習でも構いません。

体調や天気に合わせて、愛犬にとって心地よい方法を選んであげてください。

ストレス軽減のためのコミュニケーション

年齢を重ねても、老犬の心は変わらずに飼い主さんとのつながりを求めています。
たとえ動きが少なくなっても、飼い主さんがそばにいるという安心感だけで、愛犬の心は穏やかな日だまりのように温まります。

耳が遠くなっても、「いい子だね」「大丈夫だよ」といった声かけはちゃんと心に届いています。
名前を呼んだり、やさしくなでたりするだけでも、愛犬はあなたの存在をしっかり感じ取っているのです。

また、匂いでフードを探す遊びや音の出るおもちゃも、五感をやさしく刺激することができます。
ちょっとした工夫が、老犬の認知機能のサポートにもつながります。

部屋でくつろいでいる、そんな何気ないときでも「今日もがんばったね」「おりこうさんだね」と声をかけるだけで、愛犬の表情がふっとやわらぐことも。
飼い主さんとのふれあいは、老犬にとって何よりの心の薬になるのです。

老犬介護で困った時の相談先

老犬の介護は、思っている以上に手がかかるもの。

体調や気分が日々変わる愛犬に合わせて対応するのは、飼い主さんにとっても心身の負担が大きくなりがちです。

そんなとき、ひとりで抱え込まずに相談できる場所を知っておくだけでも、気持ちがぐっと軽くなるでしょう。

動物病院

まず頼りになるのは、かかりつけの動物病院です。

身体の状態を見てもらうだけでなく、「どう接すればいい?」「どんな環境がいい?」など、具体的な老犬介護のアドバイスも受けられます。

なかには往診に対応してくれる病院もあり、外出が難しいときにも心強い存在です。

また、急な用事や体調不良で老犬介護ができないときに、一時預かりや短期入院を受け入れてくれるところもあります。

老犬ホーム

人間の介護施設のように、老犬のためのデイサービスや短期・長期預かりを行う「老犬ホーム」もあります。

「少しの間だけ預かってほしい」「日中だけ見ていてほしい」といったニーズにも対応してくれるので、飼い主さんの生活スタイルに合わせて無理なく老犬介護を続けることができます。

ペットシッター

自宅での老犬介護を続けたいけど、どうしても手が足りない。そんなときは、訪問型のペットシッターも選択肢のひとつです。

老犬介護に慣れたシッターであれば、散歩の補助や食事介助など、愛犬の状態に合わせた対応もしてくれます。仕事や用事で長時間、家を空けるときにも安心です。

まとめ:老犬介護は一人で抱え込まないで

今回は、老犬介護について解説しました。

老犬の介護には、不安や戸惑いが伴うものです。

しかし、そっと寄り添いながらできるケアを重ねていくことで、その温かさは必ず愛犬の心に届くはずです。

あなたのやさしい手と声が、愛犬にとってなによりの安心になります。

老犬介護の日々は大変なこともありますが、日々の小さな幸せを一緒に見つけていけるよう、この記事が参考になれば幸いです。

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