老犬がご飯を食べない原因と対処法は?食欲不振時の栄養補給の仕方も紹介

老犬がご飯を食べてくれないと、本当に心配になります。実際、年を取ると犬は代謝が落ちたり鼻が利かなくなったりするなどして食欲がわかなくなることが多いのも事実。また、ご飯を食べない理由としては、歯や消化器系の問題、ストレス、環境の変化などが考えられます

しかし、無理に食べさせようとするのは良くないこともあります。例えば老犬には少しの量でも栄養が摂れるご飯や、食べやすいように柔らかく、良い香りのご飯を用意するといった工夫が大切です。

そこで今回は、老犬がご飯を食べない時に考えられる原因をはじめ、どうやって栄養を補給するか、食欲をそそるにはどうしたらいいかをわかりやすくまとめました。

老犬がご飯食べない時の主な原因

老犬がご飯を食べないことは、多くの飼い主が直面する悩みのひとつ。単なるわがままに見えても、実は加齢による味覚・嗅覚の低下や病気、環境の変化など、いくつもの要因が関係していることがあります。

ここでは、老犬がご飯を食べない主な原因についてわかりやすく紹介しましょう。

味覚・嗅覚の低下による食欲不振 

老犬は年齢を重ねるにつれて、味覚や嗅覚が少しずつ衰えていきます。

犬は特に嗅覚に頼って食べ物を判断するため、匂いが弱くなったり変化したりすると、興味を示さなくなることがあります。また、味覚の感度も鈍くなって今まで大好きだったフードやおやつにも反応しなくなることがあります

そのため、香りの強い食材や嗜好性の高い食材(さつまいも、バナナ、チーズなど)を加えると食欲がよくなりやすいですが、嗅覚が衰えると食べ物の位置を探すのも難しくなることも。

こうした感覚の変化は老犬にとって自然なことですが、温めて香りを立たせる、柔らかくして食べやすくするなど、ちょっとした工夫で食欲を取り戻せるかもしれません

口腔内の痛みやトラブル

老犬がご飯を食べない理由のひとつに、口の中の痛みがあります。歯周病や歯槽膿漏や歯のぐらつき、口内炎、腫瘍などがあると噛むたびに痛みを感じて食事を避けるようになります。

また、年齢とともに歯の本数が減り、硬いフードが噛みにくくなることも食欲低下の原因です。痛みが続くと唾液の分泌も減って口臭や口の乾燥が進み、さらに不快感が増してしまいます。

このような場合は無理に食べさせるのではなく、柔らかいフードやペースト状のご飯に変えるとよいでしょう。定期的に獣医師の歯科検診を受け、歯石除去や口腔ケアを行うことで、痛みを減らし、食欲の回復が期待できます

嚥下障害・加齢による飲み込む力の衰え

老犬になると、全身の筋力が落ちてしまい「飲み込む力(嚥下機能)」も弱くなってしまいます。この嚥下障害が起きると、食べたものをうまく喉から胃に送れず、むせたり吐き戻したりすることがあります

そうした不快な経験が続いた結果「食べるのが怖い」と感じて食事を避けるようになることも。さらに飲み込みに時間がかかることで食事中に疲れてしまい、途中で食べるのをやめてしまう老犬も少なくありません。

この場合は、柔らかく煮たフードやとろみをつけたスープ状のご飯など、飲み込みやすい形に工夫することが大切です。食事中は焦らせず、ゆっくりと見守ることも安心につながるでしょう。

消化器疾患

腎臓や胃腸など、内臓の病気も老犬の食欲を大きく左右します。たとえば腎臓病や胃炎、腫瘍などがあると、食後に吐き気や下痢、腹部の不快感を感じやすく、食べること自体を嫌がるようになります。

一方、慢性腎臓病の場合、体に老廃物がたまり、だるさやむくみが出て全体的に元気がなくなるのが特徴です。また、心臓の病気があると血流が悪くなり、消化器官への酸素や栄養の供給が減るため、食欲低下を招くこともあります

このような症状が見られたら、早めに動物病院を受診しましょう。病院で血液検査や超音波検査を受けることが大切です。病気を早めに見つけ、治療を進めることで、老犬の食欲を少しずつ取り戻せる場合があります

薬の副作用

高齢の犬は、心臓病や関節炎、腎臓病など慢性的な病気の治療で、複数の薬を飲んでいることがよくあります。

しかし、薬の中には食欲を落とす副作用を持つものもあり、これが原因でご飯を食べなくなるケースも少なくありません。特に抗炎症薬、抗がん剤、強心剤などは胃腸に負担をかけやすく、吐き気や胃もたれを起こすことがあります。もし薬を飲み始めてから食欲が急に落ちた場合は、すぐに獣医師に相談しましょう。薬の種類や投与量を調整することで改善することもあります。

また、薬を飲む時間を変えたり、食事を温めて香りを立たせたりすることで、少しずつ食欲を取り戻す助けになります。獣医師に相談しながら治療を進めていくことがポイントです。

ストレス・環境の変化  

老犬は若いころに比べて、環境の変化にとても敏感になります。例えば引っ越しや家族の生活リズムの変化、近所の工事音や来客など、ちょっとした刺激でも強いストレスを感じることがあります。

シニア期は体調の波も大きく、ストレスが続くと体調不良や精神的な不安定さを引き起こし、結果的にご飯を食べなくなることもあります。また、食器の高さが合っていなかったり、床が滑りやすかったりすると「食べにくい」と感じて食欲が落ちるケースもあります。

こういったときは、落ち着ける静かな場所で食事をさせる、滑らないマットを敷くなど環境を整えることが大切です。他にも毎日同じ時間に食事や散歩をするなど安定した生活リズムを保つことが老犬の安心と食欲回復につながるでしょう

認知症による食欲低下  

老犬の認知症(認知機能低下症)は、10歳を過ぎたころからよく見られるようになると言われています。

記憶や認識の力が弱まり、「ご飯を食べる」という行動の意味を理解できなくなったり、食事の時間を忘れたりすることがあります。さらに、認知症が進むと不安や混乱が強まり、落ち着いて食事をとれなくなることも。食欲の波が激しくなり、まったく食べない日が続くことも珍しくありません。こうした場合は、優しく声をかけながら手から少しずつ与える、香りの強い食材で興味を引くなどの工夫をしてみましょう。また、照明を明るくしたり、静かな場所で食べさせたりといった環境づくりも効果的です

認知症は進行を完全に止めることは難しいですが、早期に獣医師へ相談し、薬やサプリ、生活ケアで症状を緩和することができます。

老犬がご飯食べないときの食事方法や栄養補給

年を取ると、犬は食欲が落ちがちです。体調の変化も原因になります。ご飯を食べないと、栄養が足りなくなり、体力も落ちてしまいます。しかし、食べやすいように工夫したり、環境を整えたり、栄養を補助したりすることで、老犬の食欲は戻ってきます。

ここでは、具体的な食事の与え方や栄養補給の方法を紹介しましょう。

フードをぬるま湯でふやかし香りを立たせる 

老犬は嗅覚や味覚が衰えてしまうと食事の匂いを感じにくくなり、食欲が落ちる傾向があります。そのため、ドライフードをぬるま湯(約40℃、お風呂のお湯くらいのイメージ)でふやかして食べさせるのがおすすめです

こうすることで食感が柔らかくなり、温度によって香りが立って嗅覚を刺激し、自然と食欲がわきやすくなります。さらに、ふやかしたフードは飲み込みやすく、嚥下障害のある老犬にも安心です。それに水分を同時に摂れるため、脱水予防にも役立ちます。

ただし、熱すぎると口をやけどする恐れがあるため、人肌程度の温度を守ることが大切です。日常のひと手間で、老犬が「また食べたい」と感じる食事に変わるでしょう。

良質なたんぱく質を加えた手作りフード

老犬にとってよいたんぱく質は筋肉を維持し免疫力を保つために欠かせない栄養素です。

例えば鶏ささみや白身魚、豆腐など、消化吸収の良い食材を使った手作りフードはおすすめです。手作りなら、水分を含みやすく、脱水防止にも効果的だからです。また香りや食感のバリエーションを増やせるため、食欲の刺激にもつながります。

ただし手作りのフードはどうしても栄養バランスが崩れやすいため、獣医師やペット栄養士のアドバイスを受けながら調整することがポイントです。愛犬のための特別なご飯というつもりになって無理のない範囲で工夫することが食べる楽しみを支えるコツです

食べやすい食器や食事台の高さ調整  

老犬は筋力や関節の衰えにより、頭を下げる姿勢で食べるのがつらくなることがあります。そのため、食器の高さを体格に合わせて調整することが大切です。

首や腰への負担を減らすことで、無理なく食事ができ、誤嚥(ごえん)のリスクも下げられます。安定感のある食器台や滑り止め付きのボウルを使うとより安全です。また、角度がついた食器は飲み込みをサポートし、食べやすさを高めます。体を少し起こした姿勢で支えながら食事をさせるのも効果的です。食器の位置ひとつで、食欲や安心感が大きく変わることも少なくありません。

老犬にとって無理な姿勢を避けて、快適に思えるようなポジションで食事をしてもらいましょう。

トッピングやスープで嗜好性を高める

老犬になると嗅覚や味覚が鈍くなり、いつものフードでは食欲が湧かないことも。そんな時は、香りや味をプラスするトッピングやスープが有効です。

たとえばトッピングとして茹でたささみ、かぼちゃ、にんじん、白身魚など、やさしい香りの食材を少量加えると興味を引きやすくなります。また、フードにスープをかけることで柔らかくなり、水分補給にもなります。鶏がらスープや野菜スープなど無塩のものを選び、塩分・脂肪分には注意しましょう

香りや温かさを利用したひと工夫で、老犬が美味しそうと感じる瞬間をつくってみてください。そうすることで老犬のスムーズな食事ができるようになります。

栄養補給のためのペーストや流動食の活用

食欲が極端に落ちた老犬には、動物病院で処方される栄養補給ペーストや流動食の活用も効果的です。

実際ペーストや流動食は消化吸収が良く、少量でも高エネルギーを摂取できるため、体力維持に役立ちます。特に嚥下が難しい犬には、シリンジ(注入器)で少しずつ与える介助方法が使われることもあります。ただし、誤嚥を防ぐため必ず獣医師の指導のもとで行いましょう

市販の栄養ペーストや缶タイプの流動食も多く販売されていますが、体調や病歴によって合う・合わないがあります。そのため、種類や与え方については専門家と相談しながら選ぶことも大切です。ペーストや流動食を活用することで老犬が食べられない時間を最小限にし、体を守るサポートになります

老犬に食事を与えるときの注意点

老犬に食事を与えるときは、負担を減らし安全に食べられるよう配慮することが、健康寿命を延ばす大切なポイントです。食事環境や与え方を工夫することで、誤嚥や栄養不足を防げるからです。

これから紹介するコツと注意点を参考に、愛犬のペースに合わせて優しく補助をしてみましょう。

いきなり食事内容を変えない

老犬は体の体の機能が低下しているため、急な食事の変化に体がついていけません。

例えば、いきなりフードの種類や食感を変えると消化不良や食欲不振を引き起こすことがあります。新しい食事を始める場合は、これまでのフードに少しずつ混ぜ、1〜2週間ほどかけて慣らしていくのが理想です。また、食材を増やす場合も一度に多種類を与えず、1種類ずつ試してアレルギーや便の状態を確認しましょう

嗜好の変化や好みの傾向を観察しながら、老犬の体調や口の状態に合った食事へ徐々に移行していくことが大切です。焦らず、愛犬のペースに合わせて安心して食べられるご飯に調整していきましょう。

ゆっくり一口ずつ食べさせる  

嚥下機能が衰えた老犬は、一度に多くの食べ物を口に入れるのが難しくなります。無理に急がせて食べさせると、むせたり吐き戻したりする危険があります。そのため、スプーンや手を使って一口ずつゆっくりと食べさせるようにしましょう

柔らかいフードを小さな団子状にまとめて舌の上にそっと乗せてあげると、自然なタイミングで飲み込みやすくなります。焦らず時間をかけて食べさせることで、老犬も安心して食事を楽しめます

ゆっくり一口ずつ食べさせるとき犬が全部食べきることよりも安全に食べられることを優先し、無理をさせないことが何より大切です。

喉をやさしく撫でて飲み込みを助ける  

食事中に犬の喉を優しくなでると、飲み込みが楽になることがあります。こうすることで、誤嚥やむせを防ぎ、老犬も安心して食事ができるでしょう。

なでる時は、顎の下から喉にかけて、犬が気持ちいいと感じるくらいの力で優しくさすってください。もし嫌がるようならすぐにやめて、落ち着いてからもう一度試してみましょう。飲み込むタイミングに合わせて、リズミカルになでるのがコツです

もし嚥下困難があったり、頻繁にむせたりする場合は動物病院で相談して、一番良い食事の介助方法を聞いてみてください。わずかなケアであっても、老犬の食べる力を大きく助けられます。

むせないように目を離さない  

老犬がご飯食べないときに受診すべきタイミング

愛犬が年を取ってご飯を食べなくなると、飼い主は心配になることが多いはずです。

さらに老犬は、体の機能が衰えているので、ご飯や水分を摂れない状態が続くと、すぐに体力が落ちてしまいます。そして、体の抵抗力が弱まり、病気になったり、内臓が悪くなったりすることもあります。そうならないように、まずは食欲がないのが一時的なものか、それとも病気のサインなのかを見分けることが大切です。いつもと違う様子に早く気づいて、動物病院で診てもらうことが重要です。

ここでは、愛犬がご飯を食べないとき、いつ病院に連れて行くべきかを具体的に説明します。

犬が24時間以上全く食べず、水も飲まない場合  

老犬がまる一日以上、ご飯も水も口にしない場合は、かなり危ないサインです。こんな時は、様子を見ずにすぐに動物病院へ連れて行ってください。

若い犬と違って、老犬は体内の水分を保つのが苦手。そのためすぐに脱水症状や低血糖になりがちだからです。また、そのまま放っておくと、免疫力が落ちたり、腎臓や肝臓に負担がかかったり、体温調節がうまくいかなくなるなど色々な問題が出てきます。さらに水分不足で血液がドロドロになり、血の流れが悪くなって、内臓の機能がさらに低下するという悪いサイクルに陥ることもあります

なお、病院では点滴や流動食で水分と栄養を補給し、血液検査やエコー検査で原因を探ります。特に、腎不全や感染症が隠れていることもあるので、早めの対応が大切です。一日食べない・飲まないは、すぐに病院へ行くべきサインだと覚えておきましょう。

嘔吐や下痢が長引いている

犬が吐いたり下痢をしたりする症状が長引く場合もすぐに受信しましょう。このような状態になっている場合、一時的な胃腸炎だけでなく、大変な病気が隠れていることがあります。例えば腸閉塞、膵炎、肝臓の病気、感染症、腫瘍などが原因であることも珍しくありません。

さらに年を取った犬は体の抵抗力が弱いため、2日以上症状が続くと、脱水症状や電解質のバランスが崩れたり、体重が急に減ったりする危険があります。また、吐いたものや便に血が混ざっていたり、便が黒っぽい色をしているときは、胃や腸の中で出血している可能性があります。そのままにしておくと貧血やショックを起こすこともあるので、早めに病院へ行くことが大事です。病院では血液検査やレントゲン、超音波検査などを行い、点滴や薬で胃や腸を保護しながら治療します

このように食欲がない、水を飲んでも吐くなどの症状があるときは、命に関わることもあるので、すぐ動物病院に相談してください。

体重激減・ぐったり・呼吸困難  

老犬が急に痩せたり、ぐったりしていたり、呼吸が苦しそうだったりする場合も要注意です。それは体調がかなり悪いサインかもしれません。この場合もすぐに病院へ連れていきましょう。

心臓病、腎不全、呼吸器の病気、あるいは腫瘍といった深刻な病気の兆候である可能性が高く、放っておくと命に関わることもあるからです

特に、呼吸が明らかに速い、咳をする、舌の色が紫色っぽいなどの症状が見られたら、酸素が足りていない、または肺水腫の可能性があるため特に重症です。夜間でもためらわずに動物病院や救急対応してくれる施設に連絡しましょう。

老犬はつらいのを隠すことが多いので症状が出たときには、すでに病気が進行していることも珍しくありません。また急に体重が減っているときは、内臓の病気やがんが進んでいる疑いがあります。「何か変だな」と感じたら、すぐに動物病院で診てもらい、血液検査やレントゲンなどで原因を調べてもらいましょう。早く見つけて早く治療することが老犬の命を守るために一番重要です。

既往症の悪化や明らかな異変が見られる場合

持病(心臓病、腎臓病、糖尿病など)がある老犬が急にご飯を食べなくなったら、病気が悪くなっているかもしれません。これも動物病院を受診するタイミングです。

例えば、心臓病なら息切れや咳、腎臓病ならおしっこの量の変化、糖尿病なら急な体重減少などが見られます。また、こういった変化は軽く見らないなどの小さな変化も見逃さないようにしてください。持病のある犬は体調が急に悪くなることがあり、数時間遅れるだけでも命に関わる場合があります。定期的に血液検査や尿検査を受け、食欲不振が1過ごされがちですが、実は病気が進んでいるサインかもしれません。

また、薬を飲んでいる犬の場合、薬の副作用で食欲が落ちることもあります。普段より水をたくさん飲む、ずっと寝ている、散歩に行きたが~2日続くようなら、すぐに病院へ連れて行ってあげてください。いつもと違う感覚は、犬の命を守る大切なサインです。

老犬のご飯食べない・食欲不振に関するよくある質問

老犬が「ご飯を食べない」「食欲がない」状態だと、とても心配になります。いつもと違う食べ方をしたり、食欲が落ちたりすると、「もしかして病気?」「このままで大丈夫?」と不安になるのは当然です。

ここでは、老犬の食欲不振について抱きがちな疑問をまとめ、専門的な立場からわかりやすく説明します。正しい知識を持って対応すれば愛犬の健康を守り、異常に早く気づいて早く治せるようになるはずです。

老犬が突然ご飯を食べなくなったらすぐ受診すべきですか?

犬が急にご飯を食べなくなっても、元気で水を飲み、普通に動き回っているなら、数時間から24時間くらいは様子を見ても大丈夫です。

ただ、年を取った犬は体力が落ちているので、食欲がない状態が1日以上続くと、急に具合が悪くなることがあります。例えば吐いたり、下痢をしたり、ぐったりして動かなかったり、呼吸が荒いなどの症状がある場合は、すぐに動物病院に連れて行ってください。

食欲の変化は、病気の初期症状であることも多いので、早めに相談すると安心です。

食欲のない犬におすすめの栄養補給できるおやつはありますか?

食欲がない老犬には、消化しやすい柔らかいおやつがいいでしょう。

例えば、鶏むね肉の柔らかいジャーキーや、添加物の少ない肉系スナック、栄養補助ができるサプリメント入りのおやつなどがおすすめです。噛む力や飲み込む力が弱くなってきた犬には、ペースト状や液状タイプのおやつが食べやすいでしょう

ただ、おやつばかりだと栄養バランスが崩れるので、一日のカロリーを考えて量を調整してください。愛犬の好みに合わせつつ、胃腸に優しいおやつを選ぶのがおすすめです。

飼い主が無理に食べさせても大丈夫ですか?    

犬にご飯を無理やり食べさせると、大きなストレスになり食べなくなることがあります。嫌がっているのに口に押し込むのは、誤嚥や窒息の危険があるので絶対にやめてください

代わりに、手であげたり、匂いを強くしたり、食事台の高さを変えたりするのは良い方法です。それでも食べない場合は、体調が悪いか病気のせいかもしれません。すぐに獣医さんに相談してください。強制給餌は、必ず獣医さんの指示を受けてから行いましょう。

老犬が食欲をなくし、水をたくさん飲むのは病気のサインですか? 

愛犬が急に食欲不振になり、水ばかり飲むようなら、糖尿病、腎臓病、ホルモン異常といった病気の可能性があります。特に年を取った犬は、体のバランスが崩れやすいので、水をたくさん飲み、おしっこもたくさんする多飲多尿の異常な状態かもしれません

また、体が水分を保持できず、脱水症状を起こしていることも考えられます。このような状態は、数日で命に関わることもあるので、できるだけ早く動物病院で血液検査や尿検査を受けましょう。

「水をよく飲むから大丈夫」と思わずに、いつもより明らかに飲む量が増えた場合は、注意してあげてください。

食欲不振の犬に与えてはいけない食べ物はありますか?  

年を取ると犬の体は敏感になり、ほんの少しの悪いものでも体調を崩しやすくなります。

特に注意したいのは、チョコレート、ネギ類(玉ねぎ、ニンニクなど)、アボカド、ブドウ、人間の食べ物(塩分や油が多いもの)、骨や硬いおやつです。これらは中毒や消化不良の原因になることがあります。老犬は腎臓や肝臓の働きが弱くなりがちなので、塩分や脂質の多いものは特に避けましょう

基本は犬用のフードを選び、獣医が勧める療法食も良い選択肢です。食事選びは、老犬の健康を保つ上でとても大切です。

まとめ

老犬がご飯を食べなくなるのは、年を取ったせいだけではありません。病気やストレス、生活環境の変化も原因として考えられます。

一時的なら、家で工夫することでよくなることもあります。しかし、食欲不振が長引いたり、元気がない、体重が減ってきたりする場合は要注意です。このような場合は、そのままにせず、早めに動物病院へ行って診てもらいましょう。適切なケアと治療で、愛犬の健康と穏やかな日々を守ってあげられます。

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